今回の記事では、大学院入学試験(院試)を控える大学4回生を対象に、博士課程に通う私なりの勉強方法や面接対策などについてお伝えしようと思います。
私は化学系の大学院生ですが、他の分野の方の参考になる部分もあるかもしれませんので、ぜひ最後までお読みください。
また、あまり考えたくはないですし、大学によっては稀なことですが院試不合格ということもあり得ます。
その時の対応策についても最後に少しご紹介します。
いつから始めるか
まず最初に気になる人も多いであろう、「いつから院試勉強を始めればいいか」について私の考えをお話しします。
結論をお伝えすると、”人による” です。元の子もないけれど、これが答えだと思います。
「そんな答えが聞きたいわけじゃない!」
そう突っ込みたくなった方、ご安心ください。以降ではいつから始めればいいかの目安をお伝えします。
ただし、何度も言いますが、あくまで私の経験や伝え聞いた話を基に本記事を作成しているので、一部当てはまらないこともあるかと思います。その辺りはご承知の上本記事を読んでいただければと思います。
まず、院試と言っても外部受験と内部受験があります。
外部試験は、現在通っている大学とは別の大学院の入学試験を受けるものです。内部試験は、現在通っている大学と同じ大学院の入学試験を受けるものになります。
一般的に、外部試験を受ける場合は、内部試験よりも長期間の対策が必要になります。
私は、内部進学なので以下ではそのつもりで期間設定をしています。参考にする際に、ご注意ください。
外部の場合は、さらに数か月プラスして見積もっていただけるといいかなと思います。
最初にやることは、相手と自分の距離を知ることです。大学受験と同じですよね。
過去問をできる限り古い年数集める。
過去問を比較的新しい数年分を見て問題のレベルを知り、現在の自分がどのくらい解けるのか。
英語は TOEIC なのか TOFEL なのか試験なのか。
面接はあるのか。どんなことを聞かれるのか。点数の配分はどうなっているか。
合格点はどのくらいか。
など入学試験に関する情報を可能な限り集めます。
受験学年になるまでには上記のことを整理したうえで、1 年分でも過去問に触れているのが理想だと思います。
また、TOEIC や TOFEL が英語の試験に代替されている場合が多くあり、特にTOEIC の場合受ける時期によっては何度か受けて一番良い点数を提出できるので、早めから対策しておくことをお勧めします。
入試が始まる前から差をつけることが可能になるので。
どのように勉強するか
私の一番のおすすめの勉強方法は、過去問を中心に勉強することです。
初めに私は 2,3 年分の過去問を解き、現時点でどれくらい解けるのかということの確認とどのような傾向の問題が出やすそうなのかということの理解を研究室に配属される前(3 回生の2,3 月)に行いました。(最新 1,2 年分ぐらいは本番前に時間配分の練習に使いたかったので、そこだけは最後に解いています。)
その結果を基に、理解できていない分野かつよく出る分野の勉強を教科書や参考書を用いて行い、付属の問題や問題集の演習を行いました。
ある程度解けるようになったと感じたら、過去問を解いてみる。わからなかった分野があれば、教科書に戻る。
この繰り返しをして、勉強を進めました。過去問には答えがないことが多いと思うので、友人同士で解答作成会を開いたりしていました。
このようにして、集めた過去問を解き終えたら、当然復習になるのですが、見たことある問題ばかり解いていたら、新たに出会った問題でつまづくことはよくあることだと思います。
そこで、私が取り入れたのが「似た傾向の問題を出す大学院の過去問を解く」です。
例えば、京都大学は理学研究科化学専攻のホームページ(http://www.kuchem.kyoto-u.ac.jp/master_past_issues.html)に過去 30 年分の入試問題が記載されています。
このように他大学の入試問題を解くことで、同じ分野の問題でも異なる切り口から出題された場合にも対応できる能力を養うことができます。
私は、この他大学の過去問演習でかなり力がついたことを実感でき、あとは入試本番で時間配分のミスがないように定期的に受験する大学院の過去問の演習や復習をしていました。
また、本番が近づいてきたら新しい問題に触れるのはやめ、今まで解いた問題の中で間違えたことが多いものや自信のない分野を見直していました。
さらに、入試直近(1週間から数日前ぐらい)は解ける問題を確実に解けるようにという考えのもと、基礎的な問題かつそこそこ自信をもって解答していたものに絞って、復習しました。
「これだけやって解けないものはどうあがいても無理、自信を持って解ける問題を増やす方がいい」
ちなみに、私は問題を解いたときに
A:自信あり B:たぶん合ってるかな C:あんま自信ない D:わからん
で問題番号にマークしていました。復習のときに便利でした。
英語対策
ここに関しては、特に工夫していませんので、簡単に。
私の大学院では、TOEIC の点数が入試に必要だったので、多少単語の勉強やリスニングの勉強をして、数回受けました。
回数を受けると、それだけでも慣れて点数が上がっていったイメージなので、本番までできる限り受けた方がいいと思います。
配点にもよりますが、私の大学院の場合あまり割合は高くなかったので、5~600点取れていれば、足を引っ張ることはないという印象でした。(確か、私は 600 点ぐらいだったと記憶しています。同じ大学の卒業生平均より少し高いくらい。)
今後、新しく勉強法について考えたことや試したものでよかったものがあれば、追記します。
面接対策
面接対策を甘く見てると、かなり差が付きます。
私の研究室で先輩から伝え聞いた話では、面接で大きく順位が変わった人もいてそこそこ大きな割合を占めていることでした。
研究室で行われているゼミでの研究発表で指摘されたことや考えたことを次の機会に活かすように意識していると、おのずと対策になっていくと思います。
私の研究室では、幸いなことに先輩方や先生方がかなりの時間を使って、面接対策をしてくださいました。
自身の研究の意義、何が過去と違うのか、利点は何か、欠点は何か、今後どのように展開していくのか、といった研究の基本的なところに加え、なんで大学院に進学するのか、なぜこの大学院なのか、将来のなりたい姿はどのようなものかなど、研究に限らず一般的な面接対策もしてもらいました。
面接は前もって準備さえしていれば、本番で大きくミスすることはないので、ここで高得点を抑えることがトップ層争いでは、マストになります。
もちろんどの順位帯の人でも、高得点が取れるに越したことはないので、しっかりと対策する必要があります。
なので、研究室に配属されてから教科書的な勉強だけではなく、一生懸命自分の研究に取り組むことがそのまま入試対策になるので、4 回生になって配属されてから夏までの間、全力で研究活動を行いましょう。
万が一、不合格になったら
ここからはあまり考えたくはないですが、不合格になってしまったときの対応策をお話ししたいと思います。
- 後期の試験を受ける(ただし、実施しているかは前期の入学人数次第なので、実施されるかは不明。)
- 新卒で就活をする(数は減ってきていますが、まだ間に合う企業もあるようです。)
- 次の秋入学や次年度の院試を受ける(それまでは研究生という立場、公式の身分ではないので先生と要相談。)
- 卒業論文を書いて、卒業するまでは他の人と同じ、その後海外留学やワーキングホリデーなどを活用したり、長期インターンシップに参加したりしてから、既卒として就活する。
- 今からでも出願が間に合う大学院の試験を受ける。(私の周りでよく言われていたのは、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の出願準備はしておけということです。比較的日程が遅めなので、私の大学院の合否がわかってからでも受験可能でした。)
特に、最後の項目が一番急ぎになってくるので、ある程度本命の院試前には募集要項の確認や必要書類の準備はしておきたいところですね。
私が知る例は、2 つ目の新卒就活で内定をもらって、今でもその企業で働いているというものです。
いろいろと選択肢はありますし、不合格でもなんとか先には進めるので、あまりに悲観する必要はないですが、やはり合格してやりたい研究をできるのがその時点での本人の一番の願いかと思いますので、各項目対策して本番に臨みましょう。
最後に
この記事では、院試について私がしてきたお勧めの勉強法や院試対策についてまとめました。
また、不合格になったときのことも想定して考えられる対応策についても簡単に記載しました。
読者の方の院試に対する不安を少しでも解消できれば嬉しく思います。
ご意見・ご指摘・質問・相談などある方はご気軽にコメントください。
では、また。obrigado.
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