〘留学体験記③〙イタリア・パドヴァ大学での研究について~

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今回の記事では、留学先の研究室の雰囲気や研究施設の充実具合、研究のスタートなどについてご紹介します。

あくまで私が留学した研究室周りの情報になってしまうので、詳しくは書けないこともありますし、参考程度にご覧いただければなと思います。

私がお世話になった先生のもとには、ポスドク研究員 1 人、ドクターの学生 2 人、院生? 2 人というような構成でした。その研究室はお世話になった先生を大ボスとし、他に二人の教授が所属しているグループでした。なので、常に周りには博士研究員(ポスドク) 2 人、博士課程の学生 5 人、修士(or 学士) 6 人という具合のメンバーがいました。

体感としては、かなり多くの人が関わっているということはわかりました。居室内には、上記のメンバー以外に他の先生の学生もおり、近くの部屋にいる多くの学生も行き来したりと、かなりフレキシブルな環境であり、気軽に部屋間を移動しているようでした。

研究のスタートまで

これは多くの留学で共通事項かもしれませんが、各大学における安全講習の受講およびその後のテストの合格が必要となります。

大学が用意する講習を受け、最終テストに合格することで実験室への立ち入りが可能になります。

今回の場合だと、オンラインで一般的な安全講習に関する動画(4 時間) と専門的な安全講習に関する動画 (12 時間) を見て、最終テストに合格すれば立ち入りおよび実験を始めることができました。

オンラインなので当然日本にいる間に受講することが可能です。私の場合は、大学が用意する講習動画にアクセスする権限がなかなか付与されず、現地に行ってからさらに数週間の時間を要しました。

今後留学を検討されているかたは、あらかじめ受け入れ先の教授(教員)に連絡を取り、渡航前にしておくべきことや安全講習に関して、尋ねておくべきかと思います。 

私が感じた日本の研究室との違い

日本の研究室とさほど変わらないという意見もありそうですが、あくまで私の感想ということを理解していただければと思います。

・朝は思ったより早い時間からスタートしている

私は大体 9 時すぎに研究室につくようにアパートを出ていたのですが、私が到着することには何名かが実験を始めているような感じでした。

もちろん中には前日遅くまで遊んでいて遅く来る学生もいますが、、、。

・終了時間は人によりけりだが、大体の人は 19 時には帰宅している

21 時以降研究棟にいることが許可されていないためなのか、ポスドクやドクターの学生ですら 19 時を過ぎるとほとんどいないという状況でした。

体感ですが、周りの研究室も似たような感じだったので、少なくともこの大学ではこんな感じだと思います。

(私の研究室では、この時間に帰ってる人はほとんどいません。日本では割とうちの研究室と似たようなところは多いのではないでしょうか。長くいることが正義ではないのでこのことについて良し悪しを言うつもりは全くありません。)

かといって研究の進捗が悪いという感じもしませんし、そのことについて教授が何か言っているのを聞いたこともありません。

ただ、研究室にいる間の集中力はかなり高いような気がします。また、昼食は人によっては 14 時くらいになったりしていました。学食が少しすいてる時間帯でもありますし、午前の高い集中を長くとれるということも関係しているのでしょうか。

・試薬や測定機器を同じ化学棟の研究室間で共有している

試薬検索をする際に、同じ化学棟に所属する別の研究グループの所有する試薬についても検索すると出るようになっています。足りないときや自身の研究室がその試薬を所有しておらず、他の研究室にある場合は、その研究室に出向き借りるという文化でした。

管理面でいくつか懸念されるところはありますが、試薬を無駄なく使うということ、より効果的に予算を使うということ、研究室メンバー間の交流、といった面でメリットを感じられる制度だなという風に感じました。

また、NMR や GC(MS) 、UV や蛍光、MS、HPLCなどの各種測定装置、グローブボックスやガスラインといった反応をかけるのに必要なものなど同じ化学棟内で共有されていました。

こちらも試薬の場合と同じく、管理面や使用ルールなど考えなければならないポイントはいくつかありますが、そこを解決できるならば、良いシステムだと思います。

また、滞在期間の2か月間で少なくとも2人の先生が海外からやってきて講演会が開催されていました。(フランスと上海)そう考えると、比較的活発に外部の先生を呼び交流している印象でした。

以上、パドヴァ大学での研究について書きました。

私の研究室よりは1つの研究室にいる学生の数が多く、その分思うように実験できないこともありましたが、高い意識を持ったポスドクや博士の学生も多く大変刺激になる環境でした。

時間がかかりますが続編も書いていきたいと思っておりますので、お待ちいただければと思います。

ご意見・ご指摘・質問・相談などある方はご気軽にコメントください。

では、また。Chao, Grazie

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