博士進学を迷っている人必見!私が進学を決めた理由や就職状況などを公開します

研究

この記事では、博士課程(博士後期課程)進学に悩んでいる人に向けて、私自身どのようなことを考え、何が理由で進学を決意したかをお伝えします

少しでも悩んでいる皆さんの決断のお力添えができると嬉しく思います。

私は進学の際に以下の 4 点について悩んでいました。

  • 就職
  • 金銭面
  • 社会人 1 年目の年齢の高さ
  • 博士号の価値・評価

それぞれの点について以下で整理してお伝えします。

あくまで私個人の考えであり、私の経験や周囲の状況により判断したものです。専攻が化学系なので、他の分野では違いがあるかもしれませんので、そのあたりをご理解のうえお読みください。

進学を悩まれている方の参考になれば幸いです。

就職について

就職は多くの人が考えるであろう悩みの 1 つだと思います。

博士号を取った後、アカデミアに進むのか、企業の研究職なのか、あるいは非研究職なのか。そもそも就職ができるのか。

私自身が進学を決めた際に、先生からは「最近は企業でも研究職に博士号を持っている人を欲しがっていて、門戸が広がってきている。海外では、博士号を持っていることが専門的な話し合いの条件であり、博士号を持たない場合最悪は話し合いにならない。」ということを言われていました。

私の学年はそれを聞いて博士に進学しようと考えた人が多かったみたいです。

実際のところ、私と同じ専攻の博士学生はみな就職先が決定し、卒業されています

私も博士課程に進学してから少しずつ就職活動をしていますが、いろいろな人の話を聞くに博士課程の学生の企業の研究職採用はそこまで珍しくない印象があります。

また、最近就職を考える中で、非研究職も視野に入れています。よくよく考えてみると、博士課程の間にある分野を開拓した経験は、どんな分野でも活かすことができるはずです。

博士号はその証明のはずですから。

以下に、「博士号 非研究職」「科学を伝える仕事 博士号」で検索した結果、見つけた記事のリンクを記載しますので興味のある人はご覧ください。

筑波大生物系(https://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/Vol11No5/TJB201205MS.pdf

研究職だけじゃない!広がる博士のキャリアパス(https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/opinion/vol40n16.html

科学を伝えるーサイエンスコミュニケーターのお仕事ー(https://www.chem-station.com/blog/2015/06/ayakoumemura.html

博士よ白衣を脱ぎ、ラボの外へ出よ(https://www.iwanami.co.jp/kagaku/S_Yamamoto20100126.pdf

活かし方次第で、博士号を持つ人の需要は出てきますし、業界や分野が絞られてしまうこともないのかなと思います。(非研究職の例が少なすぎて、空想の域を脱していませんが、、、)

ただし、博士号に対して理解がない人や博士を雇う体力のない企業もあると思うので、そういうところでは活かしにくいかもしれません。

就職の部分に関しては、私自身まだ本格的に始まっていないため、実際に就活を行い、終了すればもう少し私自身の就職について公開しようと思っておりますので、追記をお待ちください。

金銭面

博士課程の学生に大きくのしかかるのが、授業料と生活費です。

博士課程でも親の支援を受けられるという人もいると思いますが、博士課程からは自分自身でそれらの費用を負担しなければならない人も多いのではないでしょうか?

そこで気になるのが、授業料や生活費をどう賄うかというところだと思います。

私自身も自分で生活費や授業料を獲得することができなければ、進学は諦めるつもりでした。(結果的には、フェローシップに採用されたことで、お金の心配はなくなったので、進学しましたが。)

結論から言うと、金銭面の心配はほとんどしなくていいと思います。つまり、金銭面が理由で諦めることはしなくとよいと思います。(進学を悩んでいたころには気づけませんでした)

近年では博士課程の学生の支援を拡充するため、様々な支援が広がってきています

学振フェローシップ次世代研究者挑戦的研究プログラム大学独自の支援人材育成プログラム民間の財団の支援民間企業の奨学金制度RATA など多くの支援制度があります。

また、給付型に限らなければ、貸与型の奨学金もたくさんあります。(私も借りていますが、それは借金なので給付型や給料に相当するものがないと厳しいことに変わりありませんが。)

それぞれの制度については、必要があれば個別に記事を書くつもりですが、とにかく詳しく調べれば支援を受けるプログラムは山ほどあるということです。

もちろん所属大学や研究室により、受けられるプログラムには違いがありますが、そうでないものもあります。

例えば、民間の財団では知らないだけで実に多くのプログラムで博士学生の支援を行っています。

調べるのがめんどくさい、申請書類を準備するのがめんどくさい、どうせ書いたところで採用されない、親の支援があるから大丈夫、、、

上記のような理由で応募しない人がいかに多いことか。これが最初に金銭面で心配する必要はないと書いた一番の理由です。たくさん調べて、たくさん申請書を書いた人は、一生懸命書いている限り何かしらの支援を受けることは可能だと思います。(私が現在、または過去にもらったことのあるものに青のアンダーラインを入れました。)

なので、金銭面で困っている学生は積極的に応募することをお勧めします。(この記事は博士進学を悩む学生向けですが、修士や学部の方も民間の奨学金は積極的に応募すれば、何かの支援は受けられることが多いと思います。)

意外とライバルは少ないかもしれませんよ。いずれ民間財団が行う博士課程の学生向けの奨学金まとめ記事は作成する予定ですので、アップしたらそちらもご覧ください。

中には、併給可能なものも多くありますので、ダブルインカム(出所の違う 2 つの支援金を受けること)も夢じゃないかもしれませんよ。

社会人 1 年目が 30 歳目前

博士号を順当にとっても、28 歳で社会人 1 年目、私は大学進学の際に浪人をしていたので、この先順当にいけば 29 歳で社会人 1 年目となります。

進学を悩んでいた頃の僕の結論は、そんなこと気にしてもどうしようもない。ぼくには変えられないこと。知るか。でした(笑)。変えられないことを気にするより、変えられることに目を向ける。そう決心して、この点は無視しました。

マーケターの森岡毅さんの言葉を借りるなら、「定数を動かそうとするのではなく、変数に注目する。」ということですね。あるいは、アドラー心理学「嫌われる勇気」の本の中に出てくる話では、「課題の分離」でしょうか。

ただ、当時の自分の結論に、「博士号を持って、卒業するころには、修士で卒業し、3 年間企業で過ごした同期よりも大きく成長すればよい。」ということを付け加えたいと思います。

会社説明会に参加した際に、「博士号を取得し入社する人には入社 4 年目の人として扱う。」ということを多くの企業で言われていました。

もちろん業務については本来の 4 年目の人の方が詳しいですが、研究力で彼らを圧倒するだけの力が必要だと思いました。

当然研究だけできればいいのではなく、社会人としてのマナーを学ぶ努力は必要になると思っています。

これらのことが理解できていれば、「社会人 1 年目が 30 歳目前」はあまり気にすることではないのかなと思っています。

博士号の価値・評価

この項目について私が論ずるのはまだ時期尚早かと思いますので、詳しくは書けませんが、金銭面で言うと日本においてあまり評価されていないように感じます。

また、博士号に対する一般の人の捉え方も「ごく限られた範囲の専門家であり、なんか詳しい変わった人」みたいな感じではないでしょうか?

これも現在の私にはどうすることもできないので、気にしないことにしました。

博士号の価値は自ら切り開き、アピールしていくもの。そう捉えています。いつかは博士号の価値を伝えられる・体現できる人になりたいなと思いますが。

まとめ

以上が私が博士進学の際に悩んだことでした。

研究の世界の最高峰で自分の腕を試したい、化学をよりわかり易くおもしろく伝えられるようになりたいという想いで博士進学を希望していましたが、上記の 4 点にはかなり悩まされました。

私の中では、特に金銭面の不安が大きかったですが、運よくフェローシップの支援制度に採用されたことで、進学を決意することができました。

たくさん調べたり、いろんな人から話を聞くことで不安を解消できることもあると思いますので、この記事が悩める人の一助となれば幸いです。

ご意見・ご指摘・質問・相談などある方はご気軽にコメントください。

では、また。obrigado.

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