こんにちは。
博士課程(理系)に在籍しているみなさん、日々の研究や論文執筆、本当にお疲れ様です。
時には、立ち止まって自分自身を見つめる時間は必要ですよ。
今回は、自身を振り返る機会として、誰もが経験する「就職活動」にスポットを当て、自身の経験と考えを基に、読者の皆様にとって少しでも考える機会になるような記事を目指しています。
周りの同期が研究職(民間企業やポスドク、アカデミアのポスト)を目指して就職活動を始める中、「自分も当たり前のように研究職に進むべきなのかな」「でも、他にも選択肢はないのだろうか」と悩んでいませんか?
中には、博士が非研究職につくことにどこか負い目や敗北感のようなネガティブなイメージを持っている・ネガティブな言葉を言われた人もいるのではないでしょうか?
今回は、理系博士課程を修了し、「たった2社」しか受けずに非研究職への就職を決めた私の実体験をもとに、博士の新しいキャリアの進め方や考え方をお伝えします。
結論から言うと、博士号取得者が「研究職以外」に進むことには、想像以上のメリットと高い市場価値があると考えています。
私の就活体験:希望を絞り込み、受けたのは「2社」だけ
就職活動というと、「何十社もエントリーして、何回も面接に落ちて……」という過酷なイメージがあるかもしれません。
しかし、私は自分のやりたいこと(希望の職種)を徹底的に絞り込んだ結果、最終的に2社しか受けませんでした。
受けたのは、以下の2つの研究支援機関です。
- JST(科学技術振興機構)
- NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
「なぜ研究そのものではなく、研究をサポートする側を選んだのか?」 その背景にある、博士が非研究職に進むべき3つの理由を解説します。
博士が「非研究職(研究支援など)」に進むべき3つの理由
1. 「研究がわかる人」が支援側に回ることで、日本の研究環境が変わる
現在の日本の研究環境には、予算の獲得、現場のニーズと支援施策のミスマッチなど、多くの課題があります。
ここで考えてみてください。「研究の苦労や現場のリアルを全く知らない人」が作った支援制度と、「博士課程でゴリゴリに研究をやってきた人」が作る支援制度、どちらが現場のためになるでしょうか?
研究のプロセスや現場の痛みがわかる人間が、JSTやNEDOのような研究支援機関にたくさん増えること。これこそが、今後の日本の研究環境をより良く、整備していく上で最も重要なことだと確信しています。
2. ブルーオーシャン戦略:非研究職に進むだけで「希少性」が跳ね上がる
博士号を取得した人の多くは、当たり前のように大学や企業の「研究職」を目指します。つまり、研究職のポストは優秀な博士同士が席を奪い合う、非常に競争の激しい「レッドオーシャン」です。
一方で、非研究職の領域(行政、支援機関、経営コンサル、企画など)に目を向けると、一気に景色が変わります。
「博士号を持った、研究の中身がわかる人材」が、その領域にはほとんどいないからです。
一般的な就職市場において、博士号はそれだけで強力な差別化になります。あえて研究職の枠を飛び出すことで、あなたの希少性は大幅に上がり、一気に「ブルーオーシャン(競合のいない市場)」で勝負することができるのです。
3. 博士の本質は「専門性」ではなく「汎用的なポータブルスキル」にある
「研究職以外に行ったら、自分の専門性が無駄になってしまうのではないか」 そう不安に思う方もいるでしょう。しかし、それは大きな誤解です。
あなたが博士課程の数年間で身につけた本当の財産は、特定の実験手法や知識(専門性)だけではありません。
どんな業界でも、どんな職種でも最強の武器になる「ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)」が、自然と叩き込まれているはずです。
- 課題設定力・課題解決力: 誰も答えを知らない問いを見つけ、仮説を立てて検証する力
- 粘り強さ・体力: 実験が失敗しても、泥臭くデータを取り続ける精神力とタフさ
- 伝達力・場面に応じた説明力: 学会や論文、異分野の審査員に向けて、ロジカルに魅力を伝えるプレゼン力
- 発想力: 既存の枠にとらわれず、新しいアプローチを思いつく力
これらの能力は、自身の専門に近い研究職はもちろん、むしろ非研究職において周りと圧倒的な差をつける大きな強みになります。
博士の就活生へ伝えたい、これからの進め方
もし、今の研究職一択の就活にしっくりきていないなら、まずは一歩視野を広げてみてください。
- 「自分のスキルが活きる非研究職」をリサーチしてみる
- 業界を絞り込み、本当に共感できる企業・機関に熱量を注ぐ
「みんなが研究職に行くから」という理由だけで進路を決めるのはもったいないです。あなたの持つポテンシャルは、研究室の外の世界で、もっと広く、もっと大きなインパクトを生み出すために活かすことができます。
ESや面接などのご相談あればお聞きしますので、気軽にコメントしてください。
では、また。obrigado.

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